h.Tsuchiya

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「お手紙」と「バスクリン」でMerry Eve!

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 先輩が長く常駐していた建設現場に来てほぼひと月。とくにトラブルもなく過ごせており、近隣の人とも顔なじみになってきた。自然と小さな交流?も生まれる……数日前には学童通学時の誘導をするシルバーさん(昔風にいうと「緑のおばさん」)から、バナナをもらった。こちらもお返しに『アルフォート』ひと袋。老後のバイトとしてどちらが得かなんて話もして……昨日は、いつも笑顔で挨拶してくれる5歳くらいの男の子から「お手紙」をもらった。「いつも手をふって(くれて)ありがとう」と書かれていた……そしてクリスマス前夜の今日、お返しのつもりで、去年、喫茶店『ヴェローチェ』でもらった黒猫サンタの「ふちネコ」を用意してまっていたら、その子は、わざわざ赤いサンタ帽をかぶって、またも「はいプレゼント」と小さな袋。上書きに「こうじ(工事)のおじさんへ」と書かれ、中味はなんとバスクリン1包……これにはまいった。思わずウルッとなった。なかなかすごい! 通園に付き添っているお父さんはロン毛をポニーテールに結んで、迷彩ズボンを履いて、静かにニコニコしていた。きっと夕べから、親子で準備してくれたに違いない……身も心もホッコリする実にMerryなイブだった。

壊れ棄てられるモノと蘇るモノ

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 左の洗濯機をあらためて視るとどこかの廃品だなぁ。実は数日前までわが家で使っていたモノ。ほぼ9年前に購入したが、まずメニューボタン類のプリントがはがれ、フロントのアクリルも崩壊。排水ホースもボロボロ……と次々に劣化現象を起こし、液晶が断線し、内フタのヒンジが壊れたところで「ご臨終」宣言した……俺より先に死んじまうなんて! いやいや、こんなにひどい家電は初めて! 天下の日の丸白物家電P社の凋落ぶりをまざまざと感じた。新しく買ったのもやはり日の丸家電T社。さて、どうなることやら……壊れて棄てられるモノがある一方で、奇跡的に蘇ったものもある。やはり10年近く、水をあげてるだけのアロエとカランフェ。11月の寒波にやられて茶色くしおれ、「もう寿命だろう」と思い、棄てるつもりになっていたが、先週、部屋に入れて水をあげてみたらわずか3日で復活したのだ。こいつらは、もう少し俺と一緒に生き延びるかもしれない……アロエ(品種は不夜城)は、その果肉をヨーグルトに入れて食べてみるつもり。きっと本人(?)もよろこぶだろう(笑)

しぶとく生きる「路傍の草」

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 土曜日7日、①「いわき市の復興住宅そばの道路で、わずかな土に根を張った「コキア」が赤く色づいた」と報じられた。「しぶとく生き抜く姿=復興」にかけたところが配信元・共同の狙い……でも名も形も妙な植物なので調べると和名は「ほうきぎ(箒木)」。この茎を乾かして箒を作ったらしい。有用なのはその実で、地膚子(じふし)いう生薬になるが、茹でで外皮を剥がすと、なんと秋田名物「畑のキャビア」こと「とんぶり」ができるんだって!トリビア~ん!……晩秋の都心の幹線道路(永代通り中央分離帯でも「しぶとく「生き抜く」草花をたくさんみつけた。②は尖ったくちばしと冠みたいな「極楽鳥花(ストレリチア)」、③紫の小さな実をつけた、優美な名前の「ムラサキシキブ」、④小さなアジサイかと思ったが、やたらとカラフルなのは中南米原産の「ランタナ」。色もしだいに変化するらしい……風や鳥に運ばれて根付いたものもあれば、近所の人が鉢植えを持て余して捨てたのかもしれないが、都会の草花事情は想像以上に多国籍化が進んでいる。人に限らず、「外来種」を排斥する考え方は、そろそろ賞味期限切れなのかも……

江戸橋・南詰の界隈

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江戸橋南詰界隈

 大通りの緑地を整備する仕事があるが、その交通警備でこの数週間、昭和通りを行き来している。同じ場所に張り付く建設現場と違って見聞が愉しい……一番気に入ったのが「江戸橋」の南詰界隈。有名な「日本橋」の一本下流に架かる。頭上は首都高が3本交差するジャンクション。①:まず目に入るのは麓に立つ4本の高欄飾り。世界初のSF映画メトロポリス』を思わせるバリバリのアールデコ・デザイン。ともに1927年ものだから納得。歩道が斜め市松模様のタイル……②:南詰西側の歩道は屈折した地下通路になっている。橋名板は入口(南)が漢字、出口(北)がかな表記。「えどはし」と濁音にしないのも「お約束」通り……③:三菱倉庫のビルもステキ。「表現主義」の作風というが、この時代の芸術運動のからみ方は複雑すぎる。屋上に船橋風の飾りがついている旧館(1930年)を抱きかかえる様にして後ろに高層の新館を建てるという難工事だったらしい(竹中工務店)。ビル前の植栽の樹々がサトザクラやビワなど風変わりなのも面白い……④:ご存じ「野村証券」本社ビル(1930年)……⑤:日本橋郵便局は「日本郵便発祥の地」。ちゃんと前島密(越後人!)の胸像もある……この面白い一角だが、⑥:江戸橋ビルを中心に大改造計画が進行している。景観が一変する前に、ちょこっと散歩に出かけてみたらどうでしょう。

「父のひげ」

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 去年の今日(10月22日)が新天皇の即位礼だったのを忘れてたけど、今から遥か前2004年の明日23日に新潟中越地震があったことは覚えている。上越新幹線が脱線するほど大きかった。覚えている理由は、佐渡の両親が前日に一緒に倒れて緊急搬送されたという連絡があったからだ。急ぎ帰郷しようにも陸路はダメ。JAL便が臨時運行されるのを待ってそれを使った……ま、こうして両親の介護のために仕事をやめて単身佐渡に暮らす「先の見えない時間」が始まったのだけど、その話はまた今度……で、最近の自分のはなし。ひげは毎日剃るが、慌てていると剃り残すことがある。先日経験したのは口角つけねに下向きにはえた数ミリのヤツが肌にチクチクして終日不快だったこと。そこで、父のことを思い出した。ヘルパーさんには生活援助と身体介護もお願いしていたのだが、なぜか父親が無精ひげを伸ばしていたことがあった。気分悪そうなのでT字のカミソリで剃ってやったが、他人のひげを剃るのは難しい。ひげにはクセ、個性があるし、「さっぱり、ツルツル」との感じ方は個人差がある。もしかしたらチクチクの剃り残しをしたかもしれない……当時86歳の父は、僕にはさらに無口になっていたから、満足したかどうかはわからない……今になって「もっと接してあげれば良かった」と思い起こすことが多い。この齢になると、誰かに愛情をもらうより、むしろ慈しみを与えたくなる。

「父のひげ」

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 去年の今日(10月22日)が新天皇の即位礼だったのを忘れてたけど、今から遥か前2004年の明日23日に新潟中越地震があったことは覚えている。上越新幹線が脱線するほど大きかった。覚えている理由は、佐渡の両親が前日に一緒に倒れて緊急搬送されたという連絡があったからだ。急ぎ帰郷しようにも陸路はダメ。JAL便が臨時運行されるのを待ってそれを使った……ま、こうして両親の介護のために仕事をやめて単身佐渡に暮らす「先の見えない時間」が始まったのだけど、その話はまた今度……で、最近の自分のはなし。ひげは毎日剃るが、慌てていると剃り残すことがある。先日経験したのは口角つけねに下向きにはえた数ミリのヤツが肌にチクチクして終日不快だったこと。そこで、父のことを思い出した。ヘルパーさんには生活援助と身体介護もお願いしていたのだが、なぜか父親が無精ひげを伸ばしていたことがあった。気分悪そうなのでT字のカミソリで剃ってやったが、他人のひげを剃るのは難しい。ひげにはクセ、個性があるし、「さっぱり、ツルツル」との感じ方は個人差がある。もしかしたらチクチクの剃り残しをしたかもしれない……当時86歳の父は、僕にはさらに無口になっていたから、満足したかどうかはわからない……今になって「もっと接してあげれば良かった」と思い起こすことが多い。この齢になると、誰かに愛情をもらうより、むしろ慈しみを与えたくなる。