h.Tsuchiya

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ローズマリーからウクライナの話へ

 先日まで通った現場は、マンションの狭い植え込みに多彩な植物が植えてあった。とくに目についたのは香草の「ローズマリー」。葉を摘まむと松の葉に似ているが、甘くもある爽やかな匂いがした。気に入って今日はドライの香料を買ってきた。
 香りを楽しみながらつい口ずさんだのが~♪Parsley, sage, rosemary and thyme♪~、そうサイモンとガーファンクルの『スカボローフェア』。
 この歌は映画『卒業』の挿入歌の一つだが、ラストの『 The Sound of Silence』ほか印象的な曲が一杯だったから歌詞を聴き込んだことはなかった。でも「ローズマリー」に縁あって今回聴き直してびっくり。まず歌詞がナンセンス。「縫い目も残さず針も使わずにシャツを縫って」とか「涸れた井戸でそれを洗って」などの難題を出し、「それができたら恋人だ」という。まるで「かぐや姫」の求婚話のよう。元歌は、悪霊が旅人に話しかけてそれに応えたら地獄に連れ込むという物語。そこで悪魔よけの防衛策として、匂いの強いハーブの名を呪文に唱える。曲はその繰り返しなのだ。もう一つの驚きは、映画版だけで後半に別の曲を対位させて輪唱みたいに重ねていることだった。だから正しい曲名は「Scarborough Fair/Canticle(頌歌)」で内容は反戦的。「真っ赤な軍隊に戦争のふいごが吹き付ける。将軍たちは兵に『殺せ!』『戦え!』と命ずる。大義はとっくに忘れられてるのに……」(4番の意訳)
 なんだかウクライナで戦うロシア軍みたいじゃないか?