h.Tsuchiya

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移動祝祭日&ある「女傑」

 明後日9月18日は祝日「敬老の日」だ。高齢者(65歳以上)人口が国民の約3割(3627万人)にもなっているのを祝うべきなのか?むしろ尊厳死を合法化して祝う方が良い気がするが……。「敬老の日」は本来9月15日だったがそのいわれは、昭和22(1947年)のこの日、兵庫県多可郡野間谷村(現、多可町八千代区)の村長・門脇政夫が村主催の「敬老会」を開催したことによる(55歳以上が対象)。戦後の混乱期で、子供を戦場へ送った親たちも多かった。その苦労と貢献に報いるためだった。これが県を動かし、やがて国の祝日になったという話。写真は同地区の記念碑。ちなみに多可町は酒米山田錦発祥の地でもあるという。
 本来の日から移動して「何月の第何月曜日」という風の米国流「移動祝日」(Moving Holiday)になっている祝日は現在5つ。今年に残るは10月の第2月曜「スポーツの日」である(本来は昔の東京五輪開会式の10月10日)。
 Moving Holidayで名高いのは、その死後に発表された若き日のヘミングウェイの随筆『移動祝祭日』だ。名文句「もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ」。この本で興味をひかれたのは、ヘミングウェイほか後に名を成す画家や小説家たちが毎日寄り集まったサロンの女主人・ガートル―ド・スタインだ(肖像画ピカソ)。米国出身の著作家・詩人・美術収集家かつ同性愛者であることを公言した人でもある。歯に衣着せぬストレートな物言いは、ヘミングウェイもやりこめられたし、大きな影響も受け、また反発もしていたが、その呪縛からはなかなか抜け出せなかった。若い作家たちに「あなたたちは失われた世代ね Lost Generation」と名付けたのもこの女傑である。「自堕落、虚無的」のニュアンスがある。日本の場合「就職氷河期世代」(70~82年生まれ)がそれだというが、これは違うな(笑)