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「朗読もの」はたくさん味わえる

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 YouTubeのジャンルのひとつに「朗読もの」がある。寝落ち前や仕事中でも本を味わえるから愉しい。でも司馬遼太郎藤沢周平の作品もあるが著作権(口述権、公衆送信権)をクリアしたのかなと心配になる。自分もSNSで歌詞や写真の引用をしてきたが、もう「お目こぼし」が通る時世じゃない(すみません、気づいたものから削除します。今後はできるだけ出所やリンクを明示しておきますね)。
 早速だけど、ここに貼ったイラストは「どんぶり勘定」の「どんぶり」について解説したもので、作者は金澤信幸さん。『バラ肉のバラって何? 』(講談社文庫)という著書もある。画の方は森下えみこさんである(「よく使うのに『知らない』言葉6」というサイトにあったものを土屋がトリミング)
 自分がこの「どんぶり」が気になったのは、朗読もので山本周五郎の『あとのない仮名』の中に「腹掛けのどんぶりから金を出して払う」という記述が冒頭近くと最後の方で2度も出てきたからだ。どんぶりは職人の腹掛けに付いたポケットのこと。このポケットで金の出入りを大雑把にするのが職人らしいのだ。ちなみに物語の主人公はウデの良い植木職人だが女難のせいで世間からはじかれる。最後にすねながら飲めない酒を呑むが「酔えない」。いろは仮名の最後「えひ(酔ひ)もせず」だと愚痴る。これで題名に繋がる仕組み。
 周五郎ものは時間を現代表記にするなど読みやすいのだが、この作品では「枕蚊帳」「八間(吊り行灯)」「後架(トイレ)」など現代人が「?」と思う言葉もいくつかあって、そのつど調べるのだが、これもまた昔の本を読む楽しみの一つ。
 数多い朗読ものから「おすすめの1作」と言われたら、宮沢賢治風の又三郎』の市原悦子版だ。そのウデは「日本むかし話」でも知っていたが本当に上手い!(挿絵は影絵の藤城清治だが、こちらを愉しみたいなら井浦新の朗読版。藤城はやはり天才だ)。

「春宵一刻」と「トンポーロー」

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 暦の「二十四節季」は季節を味わうのに最適。春分の次は4月5日の「清明(せいめい)」節。中華文化圏では先祖の墓参りをする風習がある。沖縄の「シーミー」は墓前に親戚が集まってお供え物のお下がりを食べて賑やかに過ごす(写真左)。あたかも春のお盆だね。
 11世紀北宗の時代。昼間、清明の催しがあって賑やかに過ごした宵。あたりは静かになり、花が香り月はおぼろ。ブランコ(鞦韆)が静かに揺れている。「あ~愉しかったなぁ。気持ちの良い宵だ」という気分を詩にしたのが、蘇軾の「春宵一刻値千金」。だけど世間には漢文ギライも多いから詩文は省略!
 この「清明節」には2日違いでまぎらわしい行事「寒食(かんしょく)」節を行う地域がある。冬至から105日目(今年は4月3日)に「火を使ってものを食べない」日。韓国では「ハンシッ」と呼んで蕎麦、ヨモギ餅を食べる。ベトナムでは旧暦3月3日に相当し白玉団子のようなお菓子を食べる。だが中国では「清明節」に吸収されて廃れた。「寒食」の由来は、古代中国の偉大な忠臣・介子推(かいしすい)が焼死したことを悼むためらしい(宮城谷の小説がある)。なんだか「屈原とチマキ」の話に似るけど、クドくなるからこれ以上は省略(全省略!) 
 自分の本当の関心は表題の詩の作者・蘇軾(号は東坡:トンポー)にある。それも彼がトンポーロー(東坡肉)の発案者だという点だ。彼は「豚肉は安い。おもむろに火にかけ、少し煮て、ほどよく火が通ればうまい具合に仕上がる。毎日食べてるぐらいだ」との詩もある(食猪肉)。豚肉の醤油煮(角煮、紅焼肉)の類だが、トンポーローは「皮付き」。写真はデパ地下で600円弱で買った安価版だが紹興酒と五香粉が効いて、イャンや結構でした~♪。

ジャ「パン」はどうなるんだ?

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 4月は年度変わり。新宿駅界隈は「入社式」帰りらしいスーツの若者が一杯いた。顔立ちがまだ幼い、イヤぁ若さがまぶしいっス。職安シニア面談帰りのワシとは対照的! 気分転換に京王のデパ地下でやっている「パンフェスティバル」をのぞく。全国各地の名物パンが目玉とかで、自分は「温泉パン(くるみ)」(栃木・喜連川)、「ネギパン」(熊本市)、「帽子パン」(高知市)の3点を購入。しめて405えんと安い。今月13日までだからまた行くつもり。感想は色々食べてからね。
 帰途、四谷三丁目の角、不動産屋の出た後に開店した小さなパン屋の前を通る。今日も並んでいる。やたらと休みと品切れが多いし、ハス向かいに大手のパン屋チェーンがあるのにこっちに客がついている。比較的安いのとおやつむきのパンもあるからだろう。客は圧倒的におば様方である。自分の叔母(80歳)も「パンの方が手軽でいいわ」と言う。ジジイの自分も1食はパンにしているので気持ちはわかる。
 日本人の主食が「パン」になっているのは明らかだ。総務省統計局の家計消費額推移で見ると2010年を境に米の消費額はパンに抜かれ、ひたすら下降線をたどってもうすぐ麺類にも抜かれそうだ。米作り農家は「もう作れない」「作っても売れない」という現実に直面しているが、解決策は見えてこない。「業務用米粉品種」への転換も進まない。
 一方の麦については国産は82万トンで輸入は488万トンとまではわかる。が、種類(大麦・小麦/中力・強力)、用途(麺、パン、菓子)、品種、地域ごとに傾向が違うので「麦シロウト」の自分にはよくわからない。農林水産政策研究所の研究員は「2016年以降需要が供給を上回る」「大手製パン、製麺業界は国産小麦使用をアピール」「国産小麦の品質は外国産に劣らない」「今後は裏作地帯、2年3作地帯での高品質な中力系小麦の導入や増産が鍵になる」などとを報告している。
 さてさて小麦は価格面の先行きが不安だ。輸入小麦の政府売り渡し価格は4月から17.3%も上昇。さらにウクライナ危機は世界的需給バランスを壊し先物市場は14年ぶりの最高値になった。ラーメン屋もうどん屋も直撃されている。パンも「わが世の春」ではなさそうだ。

「人生いろいろ♪」。「世代論」は役立たず

 明日30日は島倉千代子の誕生日だそうです。お千代さんといえば「人生いろいろ♪」でしょ。人生に浮沈はつきもの。それが綾なして個性になる……でも今日の話は少し間遠いことから書こうと思う。
 世界のマーケティング屋たちの常識に「XYZ世代理論」がある。1960~70年代生まれ(X世代)、同80~90年代(Y世代またはミレニアム世代)、1990年後半~2000年代(Z世代)と分ける。なかでも活発に動き、有望なF1、M1層予備軍のZ世代への対応策伝授が彼らのメシのタネになる。日本にはこれと少し違う世代分類があり、「団塊世代」「新人類世代」などに分ける(図『世代論の教科書』東洋経済新報社)。どちらにしても旧態依然たる「世代主義」(大阪市立大・石田佐恵子らの指摘)であることに変わりない。
 いかん!つい難しい話になりそう。言いたいことは同じ世代・同じ性でも随分違うということ。平均値やメディアン(中央値)通りの人なんてドラマの脇役にいるだけ。だからワシも「団塊世代、老人+男」だけでくくられても困るのである。
 ま、たしかに団塊爺っぽいところもある。たとえば……アニメやゲームや流行り物にウトいし、新大久保(韓流)にも通わない。米津玄師見て「床屋に行け」とだけ思った。「うっせぇわ」は弱気なサラリーマンの唄に聴こえた。TV視ないので今の野球選手や相撲取りの名は知らない。芸人や「情熱大陸的カリスマ」(造語だけど)も知らない。菊池成孔、加藤純一って誰?店頭に四角く積まれたたくさんの段ボール箱を見て「テトリスみたい」とつぶやいたおネエさんの発想に感心した……だけど他の団塊ジジババとは話が合わないことも多い。どこかズレているのだろう。
 人と世間と時代を見るのに「人生いろいろ♪、十人十色。でも人間は変わらない」という見方だけで良いのではないかと思う……結論。「世代論」なんて知恵の無駄遣いはもう止めたらという話でした(笑)。

ライブ2つ同時視聴。フランスは散り桜

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 いつも見ているロシアン佐藤の今夜のLIVEは、1升炊きの玄米おにぎりをひたすら食べるものだった。同時間帯には、フランス・トゥールのマルシェでお好み焼きを売るKENKENのライブも始まったので、両方を同時に視聴することにした。両方とも見てると腹ペコになるから、自分の夕飯も食べながらになった。
 このKENKENは神戸出身の元教師などをしていたなかなかすごい人。今はフランスに根をおろして、独学で「麹屋」を始め、現地の有機野菜で醤油や味噌を製造販売している。詳しく知りたい人はサイト(KENKEN IN THE WORLD)の概要欄を見て欲しい。
 自分の注意を引いたのは、周囲の桜並木から盛んに花が散っていること。今日の現地は「体感で25度あるくらい温かい」というが、幹から見て、どうも日本のソメイヨシノとは違うようだ。
 ところで自分の花見だがまだ行けてない。来週には都内も散り出すので焦る。伊勢丹地下で弁松の弁当買って新宿御苑に行くのが好きなんだが、去年はコロナでダメ。今年は解除になったが、御苑側が「4月10日まで予約制」としたのが面倒くさいんだよ。作戦変えて千鳥ヶ淵のお堀に「花筏」を観にいくかなぁ~、散歩というか体力トレーニング兼ねて……。
 トゥールの桜を調べると品種名は「アーコレード(賞賛=Accolade)」。大輪の半八重咲、淡紅の花をつける。彼岸桜と大山桜の交配だが、和名がないのは、1952年に英国で育成された品種だかららしい。日本で植えると春と秋の2回咲く場合もある。へぇ~、また雑学が増えた。ということは……何かを忘れて行くんだろうな(脳みそ容量はコップ一杯なもんで)。

「挿し絵」が「イラスト」になった結果

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 大阪在住のブロガーが、「町中の掲示板やチラシが『いらすとや』だらけに」と書いていた。2012年からは提供され出した「いらすとや」(みふねたかし)の絵は、人畜無害の可愛らしさ、無料で使える(20点以下)、 豊富なバリエーションなどから便利がられている。グーグルアドセンスやLINEスタンプなどビシネスセンスも優秀で一説には年収1億円以上と言われる。ところで冒頭の筆者は、情報が同じに見えてしまうこととイラストレーターの仕事がなくなることを懸念しているが、自分は「挿し絵」の力が消えてしまうことを怖れる。
 そこで忘れられてしまう前に、推しの挿し絵画家を紹介しておこう。全部あげたら100人は超えるから「わがベスト5」だけ。古い順だと岩田専太郎。色っぽい女、カッコイイ股旅それも独創的な構図としっかりした時代考証で書いた人。彼の跡を継いだ堂昌一も、岩田流をさらに洗練させた。
 次がおおば比呂司。今も「やきとり」缶詰や笹かまぼこのパッケージに見ることができるが、全日空のカレンダーや晩年のオランダ暮らしの絵に見るやわらかい筆致とデザイセンスがすごい。
 そして村上豊。85歳で存命中、右手が不自由になったが晩年ほど枯れた飄逸さと解釈の自在さで輝いている。例にあげた「虫めずる姫君」は現代向け絵本だが元は「堤中納言物語」にある風変わりだが痛快な姫君の話。村上の絵はまさにそれを描いている。
 宮城谷昌光の中国古代史小説に欠かせないのが原田惟夫の版画。小説と併せて完全に個人的好み。最近は宮部みゆきものや海音寺の新装版などにも描いているようなので認められているのがうれしい。
 てなことで絞りに絞った5人。「挿し絵」が「イラスト」になり、さらに「アニメキャラ風」の絵が横行するようになっているのがヤバイ!

「おかず」の”ゴールラッシュ”

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 サッカーのアジア予選・対オーストラリア戦をradikoで聴きながら作り置き用のおかずをせっせと作ってみた。後半49分とアディショナルで三苫が2ゴール。そのままタイムアウト。アナウンサーは「初めてオーストラリアのホームで勝利!」と声を枯らして絶叫!こりゃ、いいね。あとでゆっくり動画で見ようっと。
 「おかず」の材料は大根、玉ねぎ、鶏むね肉、合い挽き……と安くていつも身近にあるもの。まず作ったのは「大根のそぼろあんかけ」。厚めに切った皮は生姜とポン酢で漬物に。ここでパン粉を買ってきて「ハンバーグ」も作った。中ぐらいのが6つもできたので2つだけ食べて後は冷凍へ。むね肉は久々に「3分クッキング」を観て台湾料理「三杯鶏(サンバイチー)」に作ってみた(写真は動画のお手本使用)。三杯というのは酢と酒と醤油を使うからで、料理そのものは肉と玉ねぎと三杯を全部入れて煮るだけ(強火は禁物)。昼から用意したのは「冷製トリチャーシュー」。ムネ肉は円筒形に縛り、余っていた塩麴とにんにく、しょうがなどをzipに入れてもみもみ。空気を抜いて熱湯の中に漬けるけど火は消してしまう。そのまま常温になるまで放置。ゆっくり低温で作るから硬くならず味もしみしみ(色んな作り方のレシピあるから自分の好みで)。チャーシューというけど、パン食の「おかず」にする分はバジル粉を振って完成……というわけで6品完成の”ゴールラッシュ”。
 さっさと洗いものすませて、さぁ、サッカーの動画探しに行こう。