h.Tsuchiya

My NEWS

ロシア人・アリシアは何を想う?

f:id:RIPEkun:20220311221845j:plain

f:id:RIPEkun:20220311221859p:plain

 東日本大震災から11年、今年も被災各地で犠牲者への祈りが捧げられた(写真は石巻・大川小学校by NHK)。
 去年同日には宮城・南三陸町・防災対策庁舎前でひとりのロシア人女性が佇んでいた。彼女は、同町防災担当者で最後まで住人に避難を呼びかけながら亡くなった遠藤未希さんの恐怖と無念さに想いを寄せた。
 このロシア人女性はアリシア・フォード(34歳)。日本では作詞家売野雅勇プロデュースの女性デュオ「MaxLux」として、シンガーを10年も続けている。「売野先生の曲でヒットを出すまでは酒は絶つ。母国ロシアにも帰らない」と意志も強い。
 彼女のblogは、ネタを調べる知性とそれをひねるユーモアに溢れ(小芝居がちょっと臭いけど笑える)、恋愛から忠臣蔵や小津映画、北方領土問題まで多彩なテーマを扱う。一番多いのは彼女なりの「日本への愛」。とくに日本語への関心が高く、「外国人も日本語を話すようになると、他人のことを理解しようと思いやるようになる。言葉が人を変える。日本語には『言霊(ことだま)』がある」という。言語社会学者・故鈴木孝夫のいう「タタミゼ効果」(フランス語、「日本かぶれ」の俗語を鈴木は拡張して用いる)に通じる指摘だ。
 そんな彼女のblogが、今年になって更新されていない。自分の勝手な憶測だが、今のウクライナ侵攻問題に心を痛めているからではないかと思う。母国(むしろプーチン)批判の立場を表明すればすむとは考えていまい。才女で繊細な感性を感じさせる人だけに、次のTopicが気になってしかたない。