h.Tsuchiya

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「出直し一歩」のコムラ返りとメシ

 2週間前、職安のすすめで警備会社と面接。資格もあってか高齢ながら即採用。のべ3日の研修を経て今日から現場に出た。昨年10月以来7ヵ月ぶりの現場、ビルの外壁清掃用に組んだ足場の解体だった。「なぜまた警備に?」と言われるだろうが、シニア向けにはマンション清掃とか駐輪場整備などしか紹介されないし、フルタイムではない。デスクワークでも売文ライター仕事はもうやりたくない。書くのは自分のためだけにしたい。警備なら前の会社に戻る選択もあったが馴れ過ぎになる。甘やかさずに新しい風に吹かれたかった(自分で事業するのはまだ先だな……)
 心配は体力が戻っていないことだった。切開した部分の筋肉のひき連れもあるし嚥下もヘタ、咳込みも残る。昔に戻れなくても当然だが、できるだけ鍛え直そうと思った……そういうとカッコいいけど、昨夜は夜中の2時に目覚め、色んな事が気になって朝までモヤモヤして眠れなかった。つくづく「ワシは小心モノだなぁ~」と思う。
 今日は職人たちが昼飯抜きで一気にやろうとしたため、朝から2時過ぎまで立ちっぱなし。帰宅して少し寝ようとしたが、締め付けた足がむくんで外反母趾が再発。そこに両足ふくらはぎにコムラ返りの連続急襲。息ができない苦しさ。こうなることは予測できたが、本格勤務のGW明けまでに馴らして行くしかないのだ(泣)。
 気分転換にメシ作り。シイタケのパン粉焼き(ヘタもみじん切りしてパン粉にマヨと醤油とオリーブ油をまぜてトースター焼)、塩揉みキャベツサラダ(ベーコン、マリネしたトマト、岩下生姜のみじん切り入り)、ナスとピーマンの赤みそ炒め。主食は稲荷ずしにした……食べきれないけど気分はリフレッシュできたからオーライでやんすよ。

「肌の知る権利」ってなんだ?

 ネット巡りのついでに「今日は何の日」みたいな雑学サイトに立ち寄るのはなかなか楽しい。ちなみに今日(4月19日)は「地図の日」で伊能忠敬が日本地図の測量に出かけた日だという。55歳での転身はすごい!『四千万歩の男』(井上ひさし)など多数の伝記で知る人も多いだろう。
 では明日(20日)はなんの日か?例によって日本記念日協会にはたくさんの団体・企業が申請しているが、目をひいたものに「肌には知る権利がある記念日」というのがあった。なんと奇妙なネーミングか!?
 調べると……これは(株)ちふれ化粧品(本社川越市)が2015年に登録したもの。同社については化粧品に無縁の人でも社名が地婦連全国地域婦人団体連絡協議会)に由来することは知っているかもしれない。前身は1947年創業のアゼリア薬品工業で、地婦連とは販売先とメーカーという関係だった。両者が提携する際の経緯には面白エピソードもあるようだが長くなるから割愛。業界で初めて詰め替え用を発売したり製品に全成分・分量、製造年月を表示した。今は法律で義務化されているけど、同社の表示の仕方がちょっと違うようだ。
 たとえば保湿乳液。酒の菊正宗も出しているのでこちらを一般的な例とすると成分表示は配合比率の高いものからなのに、ちふれのは有効成分順になっている。こういうところが、消費者志向の、意識の高い会社という評価になって根強い支持者が長年支えて来たようだ。なお420は「ちふれ」の語呂合わせだった。

誰にでもある「思い出レシピ」

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 何度か紹介してる大食いVlogerロシアン佐藤の『おなかがすいたらMONSTER!』の登録者数が90万人を超えた。それを記念して彼女らしい視聴者ファーストの企画が始まっている。名付けて「思い出レシピ」。視聴者が自分の思い出料理のレシピを送り、ロシアンがそれを再現するというもの。全部で3回(各回3人計9つ)の「思い出レシピ」が紹介されるが、1回目は4月10日に公開済みで「おばあちゃんの味」特集だった(全部おいしそう!)
 そして今日16日が第2回で「感動洋食」特集。①砂肝パスタ/同棲していた貧乏カップルが給料日前には節約のために砂肝を使ったパスタを作り、将来は二人で故郷に帰って店を持つ夢をみていた。でも後に彼が病死(泣) ②コーン入りコロッケ/母と喧嘩して彼の家に逃げていた投稿主が、インフルエンザにかかってしまい、やむなく母に保険証を持ってきてと連絡した。母が保険証と一緒に持ってきたのが重箱一杯のコロッケだった。インフルなのに泣きながら3個も食べてしまった。③かぼちゃコロッケ/両親共働きの家庭で、食べ盛りの投稿主を含む3兄弟の空腹を満たしてくれたのは、今は亡きおばあちゃん。TVの料理番組を見て子供の好物を研究しながら作ってくれた。中でも好きだったのがこれ。どれもイイ話かつ旨そうなレシピだった。
 前にも書いたけど、「食欲は(胃袋以上に)頭脳の産物」と思う。頭脳は心=感情でもある。誰の心にもたくさんの「思い出レシピ」があるはず。だから共感を呼ぶのだろう。最後の3回目の放映日はたぶん?来週。時間がある人は観て、思い出話ココで語って欲しいな~~。

ワシはナニを作りたかったの? 

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 ぼんやり気分のままメシを作ることがよくあるんだけど、今夜もそんな感じ。ハトリさんが送ってくれた越後の山菜「コゴミ」(コゴメ)がある+白菜を使い切りたい+昨日の野菜炒めの残りもある+粉モンしばらく作ってないなぁ……でも、キャベツもニラもキムチも肉もない。思いも準備も見通しも全部中途半端のまま手が動き出す。
 とりあえず手近な具材を並べて粉を用意。全部をぐちゃぐちゃにまぜてフライパンに投入。この時点で「お好み焼き」になるかな?と思っていたが、ひっくり返して焼き具合をみると「チヂミ」に近いと思った。「なんだか、まずそう……」
 フライパン2枚分を焼いて、定石どおりソースとマヨネーズとマスタードをかける。ここまできたら「始末するしかない」と思ってちょっとやけくそ気分で食べてみる。すると「う、うまいかも……」とパクパク。……でもね、これは錯覚よ。ソースとマヨでマゼマゼしたら、ほぼ何だって食べられるんだから。ただしどれも同じ味。わかっていたが結局2枚分を平らげてしまった。エライもんだ(何が?)……これを「コゴチヂミ」と命名する。たぶんもう作らないけど。
 コゴミは、いただいたその日にシャキッ程度に塩ゆでして冷凍。おひたしやパスタでその触感を愉しんでいる。春らしい緑色もうれしい。佐渡時代、「佐渡ごはんの会」をやっていた時、同志のパーマ屋のお姉さまがこれで「ゼリー」を作ってくれた。味や香りにクセはなかったけどパステルグリーンがきれいだった(写真右上)。……皆さんは、春の山野草たのしんでますかね?

「事故った」キーボードを交換した

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 身の回りの道具たちが経年劣化なのか次々とガタがきて買換えの時期が来ている。だが、今は貧乏だし老い先を考えたらもったいない気もする。ただし完全にアウトになった必需品の場合は、グズグズしていられない。あぁ悩ましいなぁ。
 8年くらい使っているPCのキーボードも、キートップがかすれて字が消えて久しかった(写真上のAとNとか)。それだけなら大して支障はなかったのだが、先週、うっかりして麦茶をこぼしてしまった。そしたら、麦茶の成分のどういう作用によるものかわからないが、キーのスプリング(パンタグラフ)が固着して戻らなくなってしまった。ピンなどで周囲をほじくるようにして起こしたり、綿棒に水をつけて洗ってみたりしたが、はかばかしくない。そこで思い切って買い替えることにした。
 探し求めたのはテンキー部がなくて横が短いこと。Bluetoothのポートはマウスに使うので有線接続であること……で、店頭に行ってみて驚いたね。キーのタイプ、形状、色など実に種類が多い。自分は2つの条件を満たせば良いのでELECOMの薄型をチョイス。その値段にまたビックリ、なんと1250円!これじゃ、作って売る方がイヤにならないかな(買う方にはありがたいけど)
 キーボードを新しくしてから一つの便利機能を見つけた(無知だから)。YouTubeなどの動画を観ている時、「一時中断・再開」はスペースキーだけで済むのだ。マウス操作は不要。不便なことも一つある。Ctrlを使ったショートカットをやる時に、Ctrlキーの位置が前よりも少し左寄りなので「ペースト(Ctrl+V)」の時に指が届きにくくなった。でもまぁ許容範囲……今のところ快調!お茶などこぼさないように丁寧に使おうと思う。

ハッピーエンドのお芝居はいかが?

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 「ヤルタ」話に続いてナイチンゲールのことを書こうと思っていたが、4月も半ばになることに気づき、賞味期限?付きの話を先に書くことにした。それは4月27日に千秋楽を迎える松竹歌舞伎の『ぢいさんばあさん』だ(写真:©松竹)。12年前の「孝玉コンビ」が仁左衛門玉三郎となって5度目の共演をするので話題にもなっているが、去年12月には勘九郎菊之助でもやっているから、かなりの人気演目のようだ。原作は森鴎外、脚本演出は宇野信夫で1951年に初演。ネットにはレアな動画として、1973年の先々代勘三郎長谷川一夫の舞台が丸ごと載っている。消えないうちに観てみたら(これは写真使えないなぁ)。
 話は、新婚仲良しの夫婦が、夫の刃傷事件で離ればなれに暮らすことになる。それが37年ぶりに再会し「人生をやり直そう」と手を取り合うところで幕、というもの。設定は夫71歳、妻66歳。これが高齢化した観客に受けている……今年(2022年)が鴎外生誕160年、没後100年に当たることも関心を集める要素かもしれない。
 原作の方は青空文庫ですぐ読める短編だ。鴎外は大正に入ってから5年間くらい、ずっと歴史小説を書いてきた(「興律禰五右術門の遺書」「阿部一族」など)。「ぢいさん~」もその流れだが重くはない。典拠としたのは狂歌で知られる太田南畝(別号:蜀山人)の『一話一言』だという。一連の歴史小説もそうだが、この物語でも鴎外は「史実離れ」して創作していると学者たちは指摘する。そりゃ当然だろう。司馬が龍馬を「創作」したのも同じで、作者の想いと作劇上の「剪定」が加わる。なぜそうしたか、それがどんな意義を持つか、を探るのが学者の仕事だ。 
 また原作を芝居化するには「原作離れ」も必要だ。「ぢいさん」の芝居は、原作にない桜吹雪や若夫婦の設定、座布団や眼鏡など小道具使いの演出がある。これで「いいなぁ」と心が動く……さてさて、たぶんもう観られない美男美女のリアル老け役(仁左衛門78歳、玉三郎71歳)の芝居、「一幕見」でいいからなんとか観に行きたいなぁ。  

遥かなるクリミアを想う

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 連日のウクライナ報道とくに市民虐殺や略奪のニュースは心が痛んでならない。解決への糸口が一向に見えないので辛さが増す。ロシアは2014年3月のクリミアのように東部2州も「住民の意志により独立」させ、ウクライナに親ロシア政権を作るまでは侵攻と干渉を止めないだろう。他国へ侵攻しては居直るのがロシアの伝統芸だ。日本の千島・樺太もそうだし最近では「北海道の北半分はロシア領」と公言する議員もいる。
 ロシア人の対日本観のベースには「ヤルタ協定」がある。1945年2月、ウクライナクリミア半島南部のヤルタで英米ソの首脳が集まって戦後処理の意見交換をした(地図の出所不明。新聞かな?)。英米ソ連に対し「日本に宣戦布告しろ」とけしかけ、スターリンは「日露戦争で失った領土と権益を取り戻す大義がある」と参戦に応じた。当然それ以上の賠償分(北海道)も考えてのこと。戦後、米国は「この時の協定は公式のものではない」と表明した。でも現実には同年8月9日の満州侵攻、シベリア抑留、千島・樺太占領が行われた。
 昨日、積ん読してた半藤さんの『昭和史(20年まで編)』を読み終えた。226事件(1936年)以降、日本の首脳部・軍部がどんどん劣化し、戦火を拡大し、連戦連敗しても現実認識ができなかった……既知の話だがあらためて愚者・愚行の跡をなぞると読むのがつらくなる。当然「ヤルタ」の話も出てくるが、「日ソ中立条約」に安心していた日本は気づかず、それどころか終戦講和の仲介をソ連に期待していた。アホな!……「どうも戦争の熱狂は人間を愚劣かつ無責任に仕立て上げるようです」(半藤)。
 地理的には遥かな国・ウクライナだが、クリミア&ヤルタが今に、日本にも繋がることを想えば「遥か」ではない。逆に「クリミア」でいやされる話は、晩年のチェーホフが住んだことよりも、さらに「遥か」昔の、クリミア戦争(英仏トルコ同盟×ロシア)時の野戦病院看護婦ナイチンゲール(1820~1910)だ。長くなるから彼女の話はまた後日。